kiss after
初めて抱いた女は、赤みの強い栗色の髪の妓だった。
里を飛び出して行った阿呆を待ち続ける、初恋の少女の桃色の髪を思い出させるただ髪の色だけで選んだ女。
奇妙に温かい、しっとりと柔らかい女の洞に欲望を吐き出して感じたのは、後味の悪い空しさだった。身体は異様にすっきりしているのに、口の中はひどく苦かった。
身近な人間に似た女を金で買うなんて、 馬鹿な真似をしたと思った。
次に抱いたのは、白い肌とほっそりとした肢体。病でも患っているんじゃないかと思わせる色素のぬけた髪の女だった。
知っている女には似ていない、けれど懐かしく感じる女。
白い肌に歯を立てて、ほっそりとした肢体を抱きしめて。
色素のぬけた長い髪をすき上げて、膨れ上がった欲望を吐き出す瞬間、銀色の影が脳裏に閃いた。
ふたつとして同じものはない、煌く白銀の。
その夜。
ナルトはその女が気を失うまで抱いた。抱き潰した。
初恋の少女の髪に似た女を抱いた時のような後味の悪さは微塵もなかった。
あったのは、ただ。
あの人が、欲しい。
ただ、それだけ。
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